大草原を抜けると、不思議な道路に出た。
見渡す限り広大な湖の中心を走る未舗装の道路。湖なのに水際との堤防はない。道路の右側の水の中に電信柱が延々と立っている。水深が浅そうなので、湖でなく果てしなく広大な池なのかもしれない。悪夢に出てきそうな光景だった。
この場所を知っていたわけでなく、たまたま通りかかっただけなのだが、あまりのスケールの大きさに島国育ちのジャパニーズは心底驚いた。日本人が知らず観光地化されていない絶景はカザフスタンにはまだまだありそうだった。恐るべしカザフ。中央アジアの懐の深さに恐れ入った。