リタイヤ生活といえば、定年退職して年金で慎ましく生活するのが昔のイメージだったが、欧米から、「アーリーリタイヤメントやファイヤー」など若くしてリタイヤ生活を楽しむライフスタイルが出てきてずいぶんと華やいだものになってきた。好きな人と暖かいリゾート地で美味しい食事をして、良くしつけられた大型犬と海岸を散歩して楽しく毎日を過ごすなんて、全人類が求めてやまない美しい天国での生活だ。
この天国での生活を送るには、尽きることのない「金・愛情・健康」が必要で、どれかひとつでも欠けるとこの生活は送れない。若い人は資金面で、年配者は健康面で問題をかかえており、そこをなんとかしようとしているのが、若者向けの投資、年配者向けの最先端医療になる。
若者の投資熱は年々ヒートアップしておりレバレッジをかけたものが人気商品になっている。でも無理な投資をする前に、若い人には昔からある「実家ぐらし」で原資を増やすことを考えてほしい。300万の年収でも年間200万貯めることができれば10年で2000万になる。昔ほど大都会と地方の収入差がなくなった今、無理して都会ぐらしをせず、実家から会社に通うだけで32歳で数千万の貯蓄ができる。昔のシニア世代は、若くして結婚して家を出ていき、高い不動産を買ってそのローンに苦しみながら貯蓄できなかったのに対して、今の世代は、30代まで結婚せずに実家ぐらしで着々と資金をため、それを投資で倍にすることができる。今の若者は親世代と違って40代で簡単にアーリーリタイヤできる。
では、幸せなリタイヤ生活をするのに重要な「資金」についてだが、若年層で10年で3倍になればいいやという考えならばそんなに難しくはない。NISAなどで積立するのが一番確実だろう。シニア層は何年で倍というより、月いくら欲しいのほうがあっている。年金が二人で月25万、そこに月10万の投資益があれば嫌なパートはしなくていいと考えると気が楽だ。
では、どうやって月10万を稼ぐかだが、ネットで資産運用と検索すると、不動産投資、投資信託、債権投資、配当金生活など派手な単語がでてくる。これらの投資法や配当生活は現在数千万円持っている富裕層のための投資で、現金が退職金だけの人には縁のない話になる。庶民は、人に任せてボロ儲けできるなど信用せず、自分の能力だけで月々稼げるようにしたい。
それには、まず退職金の中から100万程度用意して、楽天証券かSBI証券の口座を開き、まずは、「単元株」を買ってみよう。単元株はSBI証券で買える1株単位のもので、とても安く買える。まずは自分の好きな銘柄をひとつ買ってほしい。たぶん損するのですぐに売ってしまおう。ここでなぜ損したかを考えても意味がないので、次の日もまた好きな銘柄をひとつ買ってみよう。こちらは少し儲ったとしてもこれもすぐに売ってしまおう。これを1週間つづけると間違いなくトータルで損することになる。これで「好きなものは儲からない」ということが覚えられる。次は、これまで仕事をしてきた業界の株を買ってみよう。これもまた自分の会社に思い入れがあるのでライバル会社を低く査定していて「勝手知ったる業界は儲からない」というのがわかる。次に誰もが知っている有名企業や財閥系を買うと、これまでの損と桁が違う大損をして「知名度がある株は恐ろしい」というのがわかる。こういうふうに「テーマを決めて損すること」を1年間つづけると、徐々に儲かり始めるときがくるので辛抱強く単元株で損してほしい。特に損を最小限にする方法はできるだけ早期に覚えて、なんとか半年間しのぎたい。もし、半年間で資金の20%以上の損がでるようであれば、そこがドクターストップラインなので、根本的に投資に向いていないと諦め、即座に撤退して地道にパートで稼ぐか年金内で生活したほうがいい。利益がでているようであれば、少しづつ単元株を増やしていこう。
損を抑える方法がわかってくれば、同時に少しでも儲けをだせるように投資本で勉強していきたい。ファンダメンタル法かチャート法かは自分にあっている方を選択して理解していくと成長が速い。チャート法が向いている人は、投資仲間にファンダメンタルが得意な人を持つと補完しあって更に良い。YouTube系は、人を選ばないと損をする。
投資期間については、シニアはスイングトレードが向いているようだ。ディトレードは素人には難しいし、超ロングの長期投資は時間がないシニアには無理がある。
投資を始めると「バカでも儲かる」とか「はじめての投資信託で儲ける」とか「50万で1億円つくった」「60歳からのお金のふやしかた」などいかにも簡単ですぐに儲かりそうな文句が並んでいるブログや本、動画が目につくようになる。ビジネスをしている現役の時は、儲けよりも損失の方を優先して考えていたのに、退職したとたん急に不安になって儲け話に乗っかりたくなる弱者の心理をついた商売なので気をつけたい。退職してすぐに退職金を全額つっこむなんて暴挙はしないほうがいい。あっという間に半分になる。さらに取り戻そうと追いかけるとさらに半分になる。サラリーマン時代に競馬、パチンコ、競輪、麻雀、将棋をやって常勝していた人ならば投資もある意味ギャンブルなので利益をだせる可能性があるが、真面目一徹でそういったものは一切やらなかった人はどんなに付け焼き刃で勉強しても間違いなく負けることになる。勝負感のない人に投資は向いていない。虎の子の退職金を数百万なくして向いていないと気づいても遅い。それでもどうしても投資がしたければ、三菱マテリアルや田中貴金属の「現物の金投資」が固いかも。
いずれにせよ、若い人の長期スパンの投資には勝てないので、シニア層はボチボチ儲かればいいやんの精神で日々の潤いにするのが正解だと思う。
ちなみに僕は、テンバガーなどの夢は諦めて、2倍程度で十分。一番簡単でノーリスクなのは、暴落時に買うことで、日々ナスダックが暴落することを神様にお願いしている。笑)
さて、2年ほど損しながら修行して、月々のお手当も得られるようになったら、待望のリタイヤ生活に入ることができる。投資で月々のお手当をもらえる方法は、ネットさえ繋がればどこにいてもできるのが利点だ。アメリカ人だと家を売って豪勢なキャンピングカーを買って全米を渡り歩いたり、最近では豪華客船に永住したりするアクティブな人たちが多いが、真面目な日本人は、ゴルフや釣り三昧したり、登山三昧、温泉三昧ぐらいが夢だったりする。海外移住は体調が悪くなった時点で帰国になるのでリタイヤする年齢からだと無駄な投資になる場合が多い。最近人気のドバイを始め、ポルトガル、ジョージア、シンガポールなどがあるが、健康不安があるとハードルは高い。
僕の母も父がなくなり60歳にして登山三昧リタイヤ生活がはじまり、10年で日本百名山登頂を達成してしまった。母親が日本百名山達成なら、息子は世界一周を達成したいのが夢。コロナが流行って戦争も起きているので、ユーラシア大陸横断のときのようにバイクや車で行きたいと言わないので身内の方々に許可してほしいと切に願っている。