プラハからそのままミュンヘンに帰るのももったいないので、途中のウィーンに寄ってみることにした。プラハからは300Km程度なので朝出れば昼には着く。
で、ウィーンと言えば芸術と音楽の都。ここを訪れる人は、国立歌劇場や美術史博物館がマストでしょうが、僕の場合は、なぜかウィーン軍事博物館。実はヨーロッパに1ヶ月半ほどいると段々歴史的建物に興味がなくってきて、豪華絢爛といわれるシェーンブルグ宮殿やオーストリア国立図書館より軍事博物館を選んでしまった。
歴史的建造物の中にそれはあった。
まずは第二次世界大戦のおさらいから。
薄いグレーが枢軸国(ドイツ、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、フィンランド)。濃いグレーが枢軸国に侵攻され占領された国(チェコスロバキア、ポーランド、オーストリア)。
ピンクが枢軸国に対抗する連合国(英仏)とロシア。まだら模様が枢軸国で蜂起しながら心変わりしたイタリアとルーマニアの一部。オレンジが中立国である。
☓印が主な主戦場で70年経ってもまだ映画の題材になっているくらいの激戦地だ。いまだにもめている所がこの色の境界線にある国同士が多い。
さて、ドイツ本国には、当時のナチスドイツの武器を展示した武器博物館がほとんどなく残念な思いをしていたのだが、ドイツに占領されたオーストリアに数多く残されていた。もちろんオーストリアの武器博物館なのでオーストリア軍のものもあるのだが、お目当てはドイツ軍の兵器。
映画でしか見たことがない、列車砲。
いきなり本物が展示されていました。黒光りする砲塔がすごすぎる。
当時の複葉機。
複葉機から投下する様子。
爆弾が落ちるさまをビジュアル化した展示。下にはガトリングガン。この時点で圧倒されてしまった。
当時の軍用車両。後ろにお偉いさんがのっている写真がある。たぶん皇帝か。
映画によく出てくる重機関銃。レニングラードでロシア兵をなぎ倒すのがこの機関銃。
リボルバーとワルサー。小銃は所狭しと置いてあった。
各種通常砲弾一覧。思っていたよりずいぶんでかい。
極めつけの兵器はこちら。ドイツ軍の超巨大砲。
銃口。ううう、まじで怖い。
裏側では装填される砲弾が見れる。日本も戦艦大和や武蔵など巨大兵器を作ったが、その主砲の口径は46cmで射程距離は42Km。
それに対してドイツの巨大砲の口径は80cm。この砲弾が200Km先の目標に飛んでいく。日本でいうと東京で発射した砲弾が西は静岡まで到達し、東は福島にとどく。韓国の釜山と福岡は200Kmなので、こんなとんでもない砲弾が雨あられと降り注ぐのを想像するだけで恐ろしい。
今回のウィーン軍事博物館は数ある軍事博物館の中でもダントツ一位の迫力でした。マニアの人はぜひ見学をおすすめします。そのリアルさにきっと驚かれることでしょう。