ザ・マッターホルン・レイルウェイ(登山列車)に乗って3089mのゴグナーグラート頂上(Gornergrat)を目指す。ここは1898年に開業して以来、スイス伝統の登山列車として有名。乗り場はツェルマットの駅から歩いて5分程度のすぐ近くにある。頂上までは到着駅が5つほどあるのでどの駅で下りるかを選んでチケットを買う。僕はもちろん一番上のゴグナーグラード駅を買うことにした。途中下車は自由なので初めての人は一番上を買っておくのが無難かも。結構な高山なので頭が痛くなったり心臓に負担がかかるようならば列車の往復だけでも楽しめる。
ゴルナーグラート展望台駅が一番上で、そこからはゴルナー氷河、フィンデルン氷河、モンテローザからマッターホルンまで4000m級の山々を一望できる絶景を堪能できる。ここからも下の駅までハイキングができる。結構寒いので夏でもブレーカーは必須。降りるだけなら登山靴までは不要だが山道なのでヒール不可、スニーカーならば大丈夫。登山好きの猛者達は一番下の駅からここの駅を目指す。
その下のリッフェルゼー駅は、逆さマッターホルンで有名なリッフェル湖が駅のすぐ近くにあるので一番人気の駅だ。この路線はここの駅で降りてひとつ下の駅へハイキングしながら下るのがオススメ。ものすごく美しいマッターホルンが楽しめる。
上から3番目にはリッフェルベルグ駅があり、こちらには山のチャペルや有名な山岳ホテルがある。大型のレストランもあるので上から降ってきた人はここで休憩する人が多い。
一番下のリッフェルアルプ駅は森林限界の下にあるのでアルプスの森とマッターホルンが楽しめる。長期滞在できれば緑の多いこの駅で降りて森の中をハイキングを楽しむのも面白そうだった。実際途中の丘でランチをしているカップルがいてちょっと羨ましかった。
さすが登山列車、ツェルマットの町並みを眺めながら急な坂をものともせずグイグイ登って行く。この登山列車は右手にマッターホルンが見えるので右側に座るのがオススメ。標高差1469mを40分で登る。
ゴルナーグラード展望台駅につくとマッターホルンを中心に壮大な眺めが広がった。
ハイキングをするために、ひとつ下のリッフェルゼー駅にもどることにした。駅についてしばらくあたりを見渡しているとそんなに急斜面でないハイキングコースのようで短パンTシャツ程度の軽装のまま下へ降りていく人達が見えた。
駅から徒歩10分で、逆さマッターホルンが有名なリッフェル湖についた。風が吹くと湖面が揺れてマッターホルンがぼやけてしまうのでかなりの時間を待って撮影した。あまりの美しさにほとんどの人はそこから動くことができないようだった。
写真からもわかるように湖面のすぐそばまで行くことができる。もちろん湖面に触ることもできるし、湖面に泳ぐ小魚を虫取り網で捕っている親子もいた。時間があれば写真だけでなく、スケッチブックを持ってきて絵を描くのも良さそう。ベンチなどはないので皆思い思いに岩に座ってこの風景を眺めている。これまでの人生で最も簡単にこれて最も感動する風景だった。ぜひ一生に一度はここを訪れてほしい。