2021年から揉めているロシアとウクライナの紛争について、業を煮やした米国がウクライナの件ではロシアには譲歩しない、やるならやり返してやると挑戦状を叩きつけてしまった。大国同士がなぜここまでこじれてきているのかウクライナを安全保障や言語やエネルギーで説明している図がわかりやすい。
第二次世界大戦後、自分たちが大金をかけて基盤整備した国がオセロのように続々と敵に寝返るのはロシア側からすると我慢ならないのはよくわかる。もし米国が同盟国をロシアや中国に同じことをされたら激怒して、即武力行動になるレベルだ。
さらにウクライナがなぜ東西に分かれて紛争が起きているのかは、この言語による図解がわかりやすい。東部にロシア語圏が偏って分布している。
考えたくないが、状況によっては冷戦前のドイツのように真ん中の赤いラインで西と東に分割されるかもしれない。それを予感させるようにバイデンが分割について口を滑らせて、米国政府が慌てて訂正していた。
さらにロシア産のガスはウクライナを半分以上経由してヨーロッパに運ばれている。もし東部が分割されるとロシアは西ウクライナを避けるようにパイプラインを少しだけ曲げて通常営業するだろう。そうなると西ウクライナは「莫大な利権」と「エネルギー」と「海」を失い、ヨーロッパ最貧国からさらに沈むことになる。その最貧国と紛争による大量の難民をEUが今後永遠に面倒見るのかはなはだ疑問だ。紛争後のことを考えると米国が中途半端に介入して問題をこじらせるのをドイツやフランスが嫌がるのもよくわかる。特にドイツにとっては紛争地帯を通ってくるウクライナ経由のパイプラインよりも安全なロシアからの直接ルートを持っているのでできれば関わりたくないないのが本音だろう。その証拠にNATO随一の兵力を持ちながら、野戦病院や後方支援だけしたいなどとチキンなことを言っている。他のEU諸国も返済されないであろう資金援助や大量の難民流入を嫌がり及び腰だし、米国も威勢のいい口ばかりで実質は武器援助程度でお茶を濁しそうなので、最強軍団のロシア相手にウクライナは四面楚歌状態だ。
実はこの紛争に最も関心を持っているのは中国で、どう展開すれば台湾侵攻が成功するかをこの紛争で学ぼうと抜かりなく注視していそうだ。台湾もウクライナと似ており、安全保障は米国頼み、経済は大陸に大きく依存し、言語は中国語がメインだ。中国は台湾をウクライナ紛争から学んでさらに上手に併合しようとするだろう。もしかすると弱腰の日米政権時に南海トラフ地震が来たらそれがトリガーになるかもしれない。
これを機に世界は原子力発電に大きく傾きそうだ。エネルギーを他国に依存するとどうなるかのいい例になりそうで、日本も脱炭素とか言っている場合ではなくなるだろう。GAFAMが提唱するメタバースなどのかわいいお花畑は鋼鉄の戦車によって踏みじられそうだ。コロナ前の平和な時代が懐かしい。
ウクライナ問題が長びいた場合は、EUとロシアは1990年代の冷戦時代に戻るので、これまでのように車やバイクにのった日本人の旅行者がロシアからヨーロッパに気軽に入国するのは至難の技になる。残念なのはモンゴル、カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタンなどロシアを経由しなければ行けない国も全滅してしまうことだ。そうなってしまったら自分の車やバイクでのユーラシア大陸横断旅行はコロナ前の夢物語になってしまいそうだ。
1月末にこれを書いてからちょうど1ヶ月、冬季オリンピックが終わるのと同時に本格的侵攻が始まってしまった。
一般的な喧嘩は、ちょっとしたすれ違いから始まり、罵り合いから業を煮やした側が殴り合いを始め、次に取っ組み合いになり、一方が凶器を出したところから場面が変わる。最初は面白がってやいのやいのと観戦していたクラスメート達も凶器がでたことで2つに割れて罵り合いを始め、徐々にエスカレートし2人の喧嘩からクラス全員を巻き込んだ大喧嘩になる。
第一次世界大戦はオーストリア皇帝が暗殺されたところから始まり、第二次世界大戦はドイツがポーランドに侵攻したところから始まるなど、絶対引かない頑固者が多い東欧から喧嘩が始まるとクラス全員の大喧嘩に発展してしまうことから、今回のロシアがウクライナに侵攻するのが発端で第三次世界大戦が本当に始まるかもしれない。侵攻10日目でバイデン大統領が第三次世界大戦に言及しているのも恐ろしい。
第一次世界大戦が終わるまでに4年、第二次世界大戦は6年なので、第三次世界大戦は8年もの長い間続くかもしれない。2020年代はコロナに始まり、血塗られた10年になりそうな雰囲気が濃厚だ。現時点ではウクライナ軍の死者が160人と報道されているが、クラス全員の大喧嘩になると、第一次世界大戦での死者数は1600万人、第二次世界大戦になると8500万人と5倍に膨れ上がり。その倍率からいくと第三次世界大戦では4億人になってしまう。
第二次世界大戦当時の人口が25億人、現在が78億人なので比率だけで行くと2億6千万人になる。3月に入ると核攻撃の話が本格化してきた。戦術核、戦略核が加わると戦死者は飛躍的に増え4億人ではすまないかもしれない。特にソ連時代の水爆が丸の内に投下されると北は埼玉川口から西は川崎まで瞬時に溶ける。広島型原爆で中央区程度なので、その破壊力の進化は凄まじい。
ロシア兵の練度や士気が低いなどと見くびり、戦車に火炎瓶などを投げつけていると、彼らが市内を通り抜けた後、いきなり戦術核や気化爆弾で町ごと蒸発させられるかもしれない。核保有国のフランスやアメリカがロシアに報復核を打ち込むことができないとみるや、ロシアは好き勝手に戦線を拡大し、抵抗するところは核を、白旗をあげるところは併合し、領土をソ連時代のバラバラの国の集合体でなく、念願の統一ロシア帝国を実現しようとするかもしれない。そうなればアメリカが核をもって第二次世界大戦を終結させ、ロシアが核をもって第三次世界大戦を開戦することになる。そこには西側諸国の経済封鎖などなんの意味もなく、占領した国の土地と富を略奪すれば豊かになれるという数千年も続いたシンプルな戦争経済学で突き進んでいきそうだ。もし、ロシアが戦争に勝てば、敵に資金供与した楽天の社長やウクライナに偏向したメディアの責任者やユーチュバーの運命は恐ろしいことになりそうだ。彼らは着々とリストを作っているかもしれないと考えたほうがいい。
核を使った実例ができることで東アジアも一気にきな臭くなる。
ヨーロッパ戦線に合わせてアジア戦線の主役は核保有国の中国と北朝鮮、インド、パキスタンだ。中国はロシアと手を組んで、台湾、日本、フィリピン、インドネシアなど旧日本軍が侵攻していったエリアを進撃していくだろう。北朝鮮などは、韓国や日本の豊かな生活を労せず手に入れることが可能になる。占領したエリアは、インフラ、家、車、現金、貴金属などすべてのものが自分のものになり、捕虜や抵抗者はシベリア送りになり死ぬまでこき使われる。中国やロシアはそうやって何千年もの間戦争を繰り返し領土を広げ、日本はその間小さな島を守っていただけだ。核を持たない自分たちは戦車に火炎瓶で抵抗するレベルだと自覚した方がいい。安倍元首相はすぐに核武装を提案した。有事になれば徴兵制も復活し男子は18歳から60歳、現代では女子も徴兵される。対岸の火事だと思ってスルーしているとなんの準備もないまま戦禍に巻き込まれていく。世界はウクライナで自分たちの未来を知ることになってしまった。恐ろしいことだ。
4月に入ってもなお攻撃の手を緩めないロシアと徹底抗戦のウクライナ。ロシアの怒りが本気だと知った欧州は軍備費を倍増してきた。国境を接する日本も慌てて対応しているが後手に回っている感が否めない。考えたくないが、ロシア、中国、北朝鮮の核保有国からなる三国同盟で三方から同時に攻め込まれたら、いくら自衛隊が優秀でも侵攻を止めることはできないだろう。一旦侵攻されたら、その国のインフラは破壊され、人民の命、金品など全てが奪われる。国民が憲法改正、軍備費増額、自衛隊の軍隊昇格、核保有などを願っているのだから国民投票をして早急に実現してほしい。法改正の前にまずは学生の実弾演習やサバイバル訓練は必須項目にしてほしい。自衛隊に予備自衛官募集項目があり、その中に教育訓練を5日間を2回行うようなプログラムがある。これを広く国民の開放し、予備自衛官にならなくても有事の際に身を守るすべを教えるべきだと思う。
やはり欧州の戦争は世界中で広がる運命かもしれない。