98、川遊び(ノルウェー)4

森と川と渓谷のノルウェー。自然が好きな人にはたまらない風景が次々と現れる。ロシアと違い虫もいない。道も整備されていて北海道を走っているような爽快感がある。

森林浴をしながら気持ちよく進んでいると、車が沢山駐車して子どもたちが水着で遊んでいるのが見えた。

バイクを降りて近くまで寄ってみると川のそばで大勢の人が遊んでいた。

有料のキャンプ場やリゾート地というわけでもなく、自然にできた川で日光浴をしたり食事したり泳いだりしているようだ。川遊びなんて高校生以来していない。バイクは適当に道端に置いて、着替える小屋があったので、パットの入った重いバイクウェアを脱いでノルウェーの川遊びデビューをしてみた。

水はものすごく澄んでいて透明度が高い。渓谷の川のように冷たくない。川というより湖に近く、流れもあまりなく浅瀬も多く子供でも安心だ。家族連れならここで週末を十分過ごせそうだ。ここにキャンピングカーで来ていたら幸せそうだなぁと思った。川の近くでコーヒーを沸かして買ってきたサンドイッチを食べていたら、ハーレーに乗ったおじさんが来てじっと川を見ていた。ここ泳げるよと話しかけるとかなり迷っていたが走り去ってしまった。ハーレーと川遊びは旅のイメージが違うのかもしれない。

さっぱりしたところでバイクウエアを着て今日の目的地のリーセ・フィヨルドを目指した。

九州のやまなみハイウェイを走っているような光景が延々と続く。2車線というより1.5車線なので車は慎重にすれ違っていた。

大量の石を積んだ壁が現れる。高さ15mほどあるだろうか。向こう側は湖になっている。ダムとしては小さいので道のためにせきとめたような感じだった。

日本ではなかなか見れないゴツい岩山が続く。ヨーロッパは石文化というのがよくわかる。

駐車場があったので休憩。キャンプ用品満載のフル装備のホンダ・レブル500。足つきがよく、コンパクトでパワーがあるので使いやすい。同型で250がありどちらにするか迷ったがアウトバーンや山岳が多いヨーロッパ・ツーリングでは250だと厳しいかも。レブル500にあえて不満をいうなら暗いヨーロッパの道だとLEDでないヘッドライトが役不足。スピードを出すので夜道は結構恐ろしい。操縦性はアメリカンタイプでありながら、山岳のコーナーリングを軽くこなし、ブレーキもABS付きで安心。直進性もよく最新のバイクはよくできている。

ポットに入れたコーヒーを飲んでいると羊が寄ってきた。

こんな誰もいないような岩山に放牧されている羊。耳に持ち主の電子タグのようなものが打ってある。親の羊には首に大きめの鈴がつけてある。のんびりとした感じがかわいい。

親の羊は僕のそばでなにか食べ物をもらえるかもと期待している間、子羊は後ろの川に水を飲みに行ったり草を食べたり適当に動き回っている。なにももらえずあきらめて親が動き出すとカランコロンという音が聞こえ、そこらへんで遊んでいた子供の羊は集合して移動する。昔からこの鈴はなんのためにつけてあるのかわからなかったが、この鈴は熊よけだけでなく、子羊の迷子予防にもつけているというのがやっと理解できた。