15、チタ・バイカル湖ラインの現実

新しく舗装された道をご機嫌に飛ばしているといきなり事故現場でストップさせられる。

こんな直線路でアルミ荷台が剥がれ落ちるほどの単独事故。たぶん居眠り運転だろうなと思いながら作業を見ていた。オレンジ色のダンプはレッカーに来ていた。ダンプの運転手は左右にバラバラになっている荷台のアルミ部分をチマチマと分解せずに、荷台部分にワイヤーをかけダンプで強引に後ろにひっぱりながらバリバリと強引にひきちぎっていく。落ちたトラック運転者が悪いとダンプは持ち主のことは無視して作業が進む。引きはがした荷台をもって帰るためにレッカー車でなくダンプで来ていたのかと納得。

ロシア人の作業は豪快で見ていて気持ちがいい反面、自分の車も事故を起こしたら通行のじゃまにならないように、躊躇せずにダンプで側溝に落とされるだろうなと思ってしまった。超合理主義のロシアは個人財産に厳しい。

 

バイカル湖に近づくと山道が現れる。その山道のタイトコーナーのところで大型バスが横転していた。速度超過でコーナーに突っ込んでいって横転したようだ。直線路ばかりで山道は少ないので運転技術はよくないのかもしれない。横転したバスは、そのままで警官もおらず放置してあった。

 

事故を見た後に真新しい道路が突然切れて、いきなりの未舗装道路。このいきなりの未舗装路はバイカル湖に至るまで結構な数で出現する。

この写真の道路は整地されているのでこれからアスファルトを引いて数年後には完成しそうな感じだ。未舗装道路は心の準備があったので安全第一でノロノロと走っていると、地元のSUVが100キロ以上の速度でガンガン追い越していく。極東の車はタイヤがでかくパワーのあるSUVが一番速く偉い。荷物を積んだバンなんて一瞬にして抜かれてしまう。幹線道路を外れると全て未舗装路になるので、車高が高くタイヤがでかいSUVが使いやすいのだろう。

跳ね石を避けるのと、バイクなど数百キロを積んでいるので穴に落ちないように隅っこをヨタヨタ走って行く僕のクルマの横を地元のヤンキーSUVは鼻で笑いながらホーンを鳴らして追い抜いていく。

数々のロシアンSUVの埃をかぶりながら、次車だけで来るなら最新・激速のSUVを持ち込んで、地元民をぶち抜いてやるとヤポンスキーは心に誓うのであった。