のんびりとした光景の中から急に右手の森の中からパンパンと銃撃戦の音がして怒声が響いた。散策している人達が皆走って音のする方に向かっている。この音はフランスの射撃場で小銃を撃った時の音にそっくりだったのでかなり驚いてしまった。
今日6月22日は、1941年にロシアがドイツから奇襲攻撃をされた日である。ドイツ作戦名「バルバロッサ」のもとに独ソ戦が始まり、この大戦でロシア側は民間人を入れると2〜3000万人、ドイツ側は6〜1000万人もの犠牲者がでた。ちなみに日本人犠牲者は300万人と言われているので、ロシアとドイツの戦いは、第二次世界大戦の中では桁違いの戦争とも言える。
そんなことを思い出しながら怒声のする方向へ移動していった。警官が規制をしている中、人混みをかき分けていくとそこにはこんな光景があった。
ドイツ軍とソ連軍が実銃で戦っていた。
公園の敷地に野営テントが貼られ、迫撃砲の横にドイツ軍が寝そべり匍匐前進をしながらソ連兵に向かって発砲していた。奇襲攻撃を受けたソ連軍はドイツ軍の物量に押されながらジリジリと後退していく。その後、ソ連軍の突撃によりドイツ軍はちりじりになって逃げていく。
当時のテントやバイク、軍服、当時の銃や野砲などを使い、分かりやすく独ソ戦を実践していた。沢山の子どもも親と一緒に見学しており、空砲だが実銃の音と迫力はアニメやゲームではわかりえない貴重な経験になったようだ。
ハバロフスクのような極東でもこういったイベントが開催されているのであれば、全国の都市でも開催されているのだろう。戦後70年経っても当時の戦闘を子どもたちに伝えようとする試みは日本も見習ってよさそうな気がした。