5、ユーラシア大陸横断|車 バイク 費用 日程 装備 海外ツーリング

広大なロシアを横断する方法はいくつかある。

ユーラシア大陸横断 ロシア横断日程

列車での横断、車やバイクでの横断、ヒッチハイクや自転車での横断。どれも楽しそうなので時間とお金と体力で決めたい。ロシア横断は、列車で10日間、車で3週間、バイクだと1ヶ月半くらいかかると考えておくと余裕をもって横断できる。(最短でいけば、列車1週間、車2週間、バイク3週間)

列車の旅だと同室の人と話したり、食べたり、飲んだりしながら車窓から流れる景色を眺めていける。YouTubeでもシベリア鉄道と検索するとたくさんの動画が出てくる。このシベリア鉄道、実は横断道路とかなりの距離を並走していてたびたび車と一緒に走ることになる。

一方、車やバイクでの横断は、男子の夢や浪漫がギッシリ詰まった旅になる。体力に自信があればバイクで、なければ車をおすすめする。ただバイクでの横断は国内ツーリングより遥かにレベルが高いので、彼らのことを真のユーラシア横断者と呼ぶ。

ユーラシア大陸横断 バイク 海外ツーリング

使用するバイクはBMW、ホンダ、スズキが多く、排気量はほとんどが大型車以上だった。中には125ccのスクーターもいたが、250cc以下の小排気量車での横断は、あの過酷な道路状況でのツーリングはおすすめできない。実際小排気量車は転倒やリタイヤも含め総じて苦労していた。どうしても使い慣れた小排気量バイクで横断をしたければ飛ばさずできるだけ時間をかけて行くことをおすすめする。安全第一でツーリングすれば大型車達の一気に移動していく横断旅と違った楽しい旅になるだろう。

横断バイクは、アドベンチャータイプが8割、オフロードタイプが1割、その他1割なので、もし、もう一度自分(身長167cm)がバイクだけで行くとしたら、BMWのF750GSかホンダのアフリカツイン1100、NC750X・CB400XかスズキVストローム、日本製アメリカンタイプの4択になると思う。これらを選んだ理由はロングツーリングに必要なオプションが豊富にあって、純正で足つき性のいいローダウンタイプがあるからだ。一旦道路からはずれれば未舗装の海外では身長に合っていないシート高のバイクは常に立ちごけの心配がつきまとう。立ちごけでもハンドル周りなどの重要部品が壊れるので気をつけたい。ネイキッドやスーパースポーツでも可能だが、1万キロ近くを無事に走り抜けるには大型のスクリーンやトップケースやパニアケースなどがないと厳しい。

ロシア・ヨーロッパだけのユーラシア横断ならオンロードアドベンチャーバイクがいい。このコースなら予備燃料タンクや予備タイヤは必要ない。中央アジアを横断するためにロードバイクに予備のオフロードタイヤをつけて走っている人いるが、それならば最初からオフ向けアドベンチャーで走ったほうがいい。

ロシアをはずれて、モンゴルやカザフスタンなどの中央アジアを走破するとなると一気に難易度が上がり、バイク選びがオフロード向けのアドベンチャーに変更されて、BMW F850GS、ヤマハ テレネ700、KTMの790ADV、ホンダ アフリカツイン1100等になる。ユーラシアを手始めに世界一周する場合はどんな国でも走れるこのタイプが選択肢になる。ただし、オフ向けアドベンチャーはオフロードの経験がない初心者にはハードルが高い。本格的なアドベンチャー仕様は、燃料タンクを含めて車体が大きく、がれ場や湿地を渡るためにシート高が高く、エンジンや車体強度を上げるために価格も上昇する。車体サイズ的に175cm以下の小柄な人や体力のないシニアライダーには厳しい。道も延々と続く悪路になるので、相当なオフロード経験がなければおすすめしない。万一事故をしたら、日本と違い救急車がすぐにはこない。救急体制のあるロシアでさえ怪我をした横断者達は半日以上事故現場で耐えている。見渡す限り誰もいない中央アジアでは一歩間違えれば野垂れ死にが待っている。

250ccクラスでロシア横断したいとなると候補にあがるのが、Vストローム250やヴェルシス250などの250ccアドベンチャー。250ccクラスで数十日も延々と時速100キロ以上で連続走行するのは難しいので日程を多めに取って走破してほしい。ヨーロッパもアウトバーンをさけていけば十分楽しめる。

250ccクラスでモンゴルとカザフスタンから南回りで欧州へ入るのであれば、オフ車が候補に上がってくる。CRF250ラリー、セロー250、KLX230などのオフ車は、悪路の走破性が高いのでオフロードは安心。ただ積載量が少ないのと航続距離が短いので、国内で林道ツーリングとキャンプをこなして、テクニックの上達と荷物の厳選をおすすめする。できればサイドパニアなどを個人輸入して積載量を増やす工夫が必要。

いずれにせよ一人でのバイクでのモンゴル・カザフスタンの中央アジアの単独走破はお薦めできない。欧州に入るまでだけでも、キャンプやオフロードに慣れたライダーが2人以上で相互に助け合いながら走破してほしい。

ロシア横断している外国人達のバイクの装備を見ると、ハイスクリーン、エンジンガード、ナックルガード、両サイドに大容量パニアケース・トップボックス、メインスタンド、外部ソケットをつけている。最低限この装備が純正オプションにない車種は横断用には向かない。さらに欲を言えば、グリップヒーター、防犯アラーム、フォグランプ、ハンドルカバーも欲しい。ロシア入する前に、タイヤ、各部オイル、チェーンなどの駆動部、バッテリー、電球等はすべて新品にしたい。

アドベンチャーバイクを選ぶとトップケースやパニアケースをどれにするか迷う。ロシア経由のオンロードバイクならアルミケース。中央アジア経由のオフロードバイクならアメリカのMosko motoやイタリアのGiviのソフトパニアがオススメ。ソフトパイアは軽いし見た目もいいのでオフアドベンチャーにあっているが防犯に弱く無防備になってしまうので、最低限トップケースは鍵のかかるものにしたい。

地図はロシア経由ならスマホのグーグルマップやmaps,meで十分。中央アジアになるとガーミン64sが欲しくなる。

ノートパソコンは盗まれると覚悟していたほうがいい。大事な旅の画像や動画はすべて外付けSSDに入れて常に持ち歩くようにしよう。外付けSSDを起動ディスクにしておけば、盗まれても本体を買い換えるだけなので便利。海外で買うとキーボードが不思議な現地の文字になるがこれも旅の思い出になる。

一眼レフカメラはフルサイズで広角レンズならスマホの写真やアクションカメラとも相性がいい。ちなみにこのブログの写真と動画はCanon 5D3 14-27とスマホ。動画はSony AS300とスマホで撮っている。コロナが収まって次行くときには、Sony AS300とCanon RP 10-18とInsta360とドローンのMavic miniにする予定。

ユーラシア大陸 バイクの所持品

バイクの場合、大型アドベンチャーバイクで130リッター、250ccオフロード車だと80リッター程度の荷物にまとめなくてはならない。リッター数で書くとなんでも積めそうだが、積載してみると思ったより入らない。 パソコンやスマホやカメラ類の電子部品、衣服や洗面道具の生活用品、バイクの修理道具や部品、テントやシュラフや炊飯道具のキャンプ用品。バイクカバーやアラーム等の防犯用品、医薬品、書類、さらに貴重品。こうして持っていきたいものを並べると、大型トランク2つでは入らないくらい多い。特にカメラ・動画関係を重視するとチャージャーも含めてがどんどん増えていく。

ロシア横断コースでは事前に時間をかけて準備したキャンプ用品を思い切って全てバッサリ削るのもひとつの方法だ。ホテルが充実しているロシア経由ならばテントやシュラフや椅子テーブルも必要ない。各地にレストラン(CAFE)やコンビニがあるので炊飯関係も最低限で問題なかった。唯一キャンプ用品で活躍したのはラーメンコッヘルとマグカップ、小型バーナー、保温ボトル程度。なかでもサーモス保温ボトルは毎朝ホテルで熱いコーヒーを入れて走り続けて疲れたときに飲むと生き返ったので、これだけは必須かも。もちろん国内ツーリングと同様な環境なので食料品も一切必要ない。ラーメンもスパゲティも惣菜も普通に売っている。小型バーナーはガソリンタイプかボンベタイプかは分かれるが、ガソリンタイプは取扱いが面倒なのでGASボンベタイプをおすすめする。キャンプ用品はキャンプ場の設備の整っているヨーロッパに入ってから季節に合わせて現地で使い捨て感覚で買うのも現実的な方法だ。EUに入ると思ったより安く高品質なものがある。

走り込んだ中古バイクを持っていくと修理部品が次々と必要になるので、故障と荷物を減らす意味でも新車に近いバイクを横断用には調達したい。生活用品は国内ツーリングの3泊4日程度まで荷物を減らすとオフロード車でもギリギリ搭載でき、アドベンチャーならかなり余裕ができる。集中力を切らさないように4日走って1日休みまたは半休と考え、そのときに買い物や洗濯をすませるようにすると気分転換になる。万が一を考えて色々持って行きたくなるが、シベリア横断道路近辺は未開の地ではないので、ほとんどものは日本と同様に手に入る。ガススタンドは数十キロ単位であるので、ガソリン缶も必要ない。車載物が増えるとバランスが悪くなり転倒しやすくなるのでできるだけ減らす方向でパッキングしたい。あと荷物ではないが、二人乗りでロシアを走りきるのは難しい。次々と現れる深い穴を避けることができなかったら後ろの人は放り出されて大怪我することになるのでおすすめしない。二人乗りしたければヨーロッパに入ってからにしたほうが無難。

大事なバイクを守る防犯対策は徹底したい。チェーンロック、アラームディスクロック、バイクカバーは必須。できれば純正防犯ブザーもつけたい。バイクカバーは黒で車体が完全に隠れるものを。ホテルのスタッフが盗難する輩と組んでいる場合もあるので指示された所でなく、防犯アラームが聞こえるように自分の部屋とできるだけ近いところに駐車しよう。アラームディスクロックは音が大きいAbusがおすすめ。その他、ハンドルカバーやロングライドでお尻が痛くならないようにゲルザブ2枚敷きも有効だった。

あと単調なツーリング中のお楽しみとして釣りをおすすめする。走りながら見つけた渓流や湖で一休みがてら釣りができる。シベリア横断道路でよくみかける大きな川では大勢の人が泳いでいるので水着も持参したい。暑い夏に重いバイクウェアを脱いでする川遊びは楽しい。大きな街になると夜も華やかなのでグーグルマップで探して夜遊びもしてみよう。ロシア人は思ったより面白い。ロードサイドのCAFEだけなく、大きな街のレストランでは本格ロシア料理を食べるのもいい。ボリュームたっぷりの素朴なうまい食事が楽しめる。面白いイベントはひたすら西へ進む単調なツーリングを印象的なものに変えてくれる。

バイクウェア等の装備だが、旅行時の安全を守る大切なツールだ。ヘルメットはアライかショウエイのフルフェイス。喋ったり、飲食に便利な前開きシステムヘルメットも外国人に人気だ。おすすめはショウエイのZ-7・Z-8、ロシアや欧州の高速走行でも左右にぶれず、軽いので長時間走行でも疲れない。オフロードやADVタイプは風の抵抗が多いので疲れるし、隙間があると大量の虫掃除に閉口する。ロシア経由なら日本の高速道路を延々と1万キロ走ると思っていい。ジャケットとパンツ、ブーツはアドベンチャー走行を深く理解している海外ブランド品かバイクメーカー品をお勧めする。一番外側のシェル部分は転倒しても破れないことが大事で、薄くて軽いアウトドア用はおすすめしない。高級品ならイタリアのダイネーゼアルパインスターだが、オランダ製で価格が安く本格的なREVITレブイットもオススメ。ミドラーやインナーは逆にアウトドア用がおすすめ。寒いときはバイク用アウター→ダウン→フリース→防風発熱インナーを着れば零下近くまで寒くない。それ以下の温度だとウェアというより路面の凍結の方が問題になる。ブーツは特に重要でゴアテックス製で、転倒したとき足をバイクに挟まれても大丈夫なものを選びたい。こちらも海外製でオン用ならダイネーゼ・アルパインスター、オフ用ならガエルネをオススメしたい。プロテクターは、ウエアに装備されているもの以外だと胸部、背中は必須。最近ではダイネーゼやアルパインスターのTECH-AIRなどのエアバッグも見逃せない。オフ中心ならプロテクターが必須。グローブは夏、雨・冬の2タイプあると便利。ウラジオからバイカル湖までは虫が大量にぶつかってくるので使い捨ての100円カッパが必須。

バイクでユーラシア大陸横断や世界一周を目指す装備は毎日使うものだけを持っていくほうがいい。本当に面倒なテントを毎日張ってキャンプするのか、本当に毎日食事を作るのかを自問して、週1程度しかしないとなれば、あっさり装備品から外す方が正しい。使うか使わないかを心配して持ち込むより、必要なときに現地で現金で解決したほうが圧倒的に効率的だ。バイクは装備が増えると不安定になるので、徹底して装備を減らすことをおすすめする。

ユーラシア大陸横断 車

車の場合、ロシア横断コースならば軽自動車でも可能だ。右ハンドルも気にならない。普段、自分が使っている車をそのまま持ち出して横断できる。スポーツカーだと厳しいが、車中泊ができるスペースがあれば快適な旅になる。中央アジアコースになるとランクルなどの本格四駆になる。僕が中央アジアを車で走破するならば、ランクル、パジェロ、ハイラックス、ジムニーシエラにする。中央アジア横断を考えている人は乗用車タイプのSUVはやめておいたほうがいい。

ユーラシア横断では、一気に何万キロも移動するので消耗品代もばかにならない。主にタイヤ、オイル、電球などだが思ったより全体にガタがくる。横断車両は故障したときに時間とお金がかかるので、古い中古車はやめたほうがいい。できるだけ新車に近い状態で各部の消耗度がわかっているものを選びたい。

車のオプションでは、ルーフボックスがおすすめ。車本体の盗難対策にはハンドルロックとアラームが有効だが車上荒らしに無抵抗なので大事な物はルーフボックスにいれたい。いずれにせよパスポート、カード、現金、カメラ、撮影データなどは、かならず持ち歩き車内に残こしていかないことを徹底するしかない。安全面ではリアウィンドウのスモークやバックモニター、フォグランプが欲しい。タイヤはアルミホイールであれば純正で充分。タイヤは新品をつけたい。長距離移動なので腰痛対策にシートクッションは必須。首、腰、尻の3点セットのジェルタイプがおすすめ。ポータブルバッテリーなどの車中泊用のアウトドアグッズは一通りあると便利。本格的なキャンピングカーで横断するのはいいアイデアだが路面状況が悪いのでおすすめできない。路面にあいた大きい穴に数十回落ちるので、よほど頑丈な作りでない限り車体がもたない。

ユーラシア大陸横断 予算

横断に関わる費用はピンきりになるが、どうしても毎日かかるのがガソリン代、宿泊費、飲食代。行程の半分を占めるロシアは総じて日本の半分くらいだと思っていると予算がたてやすい。ヨーロッパは平均してほぼ日本と同じ。(スイスは倍、フランス、イギリス、ドイツ、北欧は1.5倍、東欧・南欧は2/3)。それに、車両の消耗品代、修理代と日本へ車両の輸送と本人の帰国にかなりの費用がかかる。特に車両の日本への返却輸送が一番問題なのでまずはある程度ここをクリアしてから予算組をしたほうがいい。

大陸横断するのに50万円程度の予算しかなければ車やバイクはやめてバックパッカーが無難。電車やバスと違って車やバイク移動は思ったより予算がかかる。ウラジオストクからスペインまで1ヶ月半で予算は激安学生旅で80〜100万、シニアで150〜200万程度。ヨーロッパでいいホテルに泊まり、美味しいものを食べて現地で遊びたい場合は250万程度はみておきたい。バイクやウエア類は別になるので、総額でいうとさらにかかる。バイクよりも車の二人旅が一番安く、ほとんど一人分に食費くらいしかかからない。友達同士や退職後の夫婦でのユーラシア大陸横断は格安で遊べるのでおすすめする。

ところで、バイクと車はどちらがお金がかかるかは、ガソリン代と宿泊費の天秤になる。キャンプが危険なロシアではバイクはホテルなどになる。一方、車は車中泊仕様にしておけばかなり費用が浮かせる。高速代がかからないユーラシアでは燃費の良いハイブリッドなど車種をうまく選べば車のほうが安くなる。EUに入ればオートキャンプ場が沢山あるので、上下水道や電源がほしいときは活用したい。

ホテルを探すときはロシアを含めてすべてBooking.comを使った。移動距離がわからないので毎日夕方頃に当日予約していった。ロシアの横断道路沿いのホテルは値段の割には設備が貧弱、横断道路から10分ほどはいった街のホテルの方が車両の防犯管理もされていて値段も安い。ヨーロッパにはいるとホテルのバリエーションが格段に増えてホテル選びが楽しくなる。ホステル、民泊、民宿、レストラン泊、山荘、ビジホ、リゾートホテルからお城ホテルまであるので、予算があれば気分を変えていろいろ泊まってみてほしい。歴史やデザイン的にも優れた建物が多いので、このホテル探しも旅行の楽しみのひとつになる。

お金の管理だが、プリペイドカード、クレジットカードを使い分ける方がいい。結論から言うと、ロシアや東欧などEU以外の国ではプリペイドカードをメインにして現地のATMから現金を引き出す方法が最も使いやすかった。ATMは大きなスーパーの横には必ずあるので見つけるのに苦労しない。次にクレジットカードだが、こちらはホテルを予約するなどネット予約とEU内のショッピングで主に使った。EU内でも南欧や東欧ではスキミングを恐れて、少しでも怪しいところでは現金で、ネットやモール内や有名店のみクレジットカードを使った。使用するものは、プリペイドは新生銀行のGAICA、クレジットカードはビザとマスターの3枚のカードと円の現金にした。ロシアコースならばドルは必要ない。30万ほどの円を盗難や紛失を考えて3箇所ほどに分散管理した。

余談だが、最短でも1ヶ月半から2ヶ月間、誰と旅をするかは旅のクオリティを左右するので慎重に決めたい。最近ではバイク横断ツアーがあるが、自分が参加することを想像すると周りの参加者にひきずられてやりたいことができるのか疑問符がつく。さらに1車線しかない横断道路を国内ツーリング気分で1列になって数十台が走っていくのも危険な気がする。道路には巨大な超大型トラック、スローな耕運機、現地の激速SUVなどが入り混じって走行しており、1万キロも隊列を組んで安全に走れるのかも疑問だ。ユーラシア大陸横断は、車種もライダーの経験値もバラバラの10名の参加者がいれば3人は途中リタイヤすることになるくらいハードなロングロングツーリングということを理解していたほうがいい。いずれにせよ、オウンリスクのソロツーリングで自分のペースで走ったほうがトラブルは少なさそう。

世界へ飛び出す方法

いまのところ車やバイクで海外に出るのは韓国経由のウラジオストク着のフェリーで車両と一緒に自分も乗っていくのが最もコスパがいい。ただ残念ながら2021年の1月時点ではこの航路で行くことはできない。なぜなら境港ー韓国ーウラジオストクの定期フェリー便を運営している会社が2020年の3月にコロナ倒産してしまったからだ。ところが同じフェリーを使って韓国の違う会社が、2020年9月から舞鶴港ー韓国ーウラジオストクの定期便を出すことになった。1月段階ではまだ中古車だけの運搬だが、コロナが収まり、ロシアとの自由な国交が回復すれば前と同じように自分の車両と一緒にフェリーに乗って世界へ飛び出せるので期待したい。

2021年2月には、なんとこの舞鶴フェリーがまたもや業務停止。たった5ヶ月しか運用しなかった。ウラジオストクフェリーのいいところは、「荷物を積んだまま外国へいける」というところだった。ローロー船や空輸便で車両を海外へ送る場合はキャンプ用品やバイク用品などの重い荷物を自分で持っていかなければならない。

このウラジオストク航路以外では、車両を空輸、船便で目的地に出す方法もある。過去の世界一周ライダー達がオーストラリアやタイや北米に送っている。この方法は乗りなれたバイクをそのまま使えるメリットはあるが、やはり運送コストは高い。さらにこの方法だと先方で通関などに伴う語学力が必要になる。

ならば現地でバイクを購入するという方法もある。カナダ、東南アジア、南米、アフリカ、オーストラリアなどは購入が簡単なのでおすすめできるが、住所がない旅行者には売れないという国も多い。現地に知人等がいれば購入が可能になる場合があるのでまずはそこに打診してみよう。ウラジオストクへのフェリーが絶たれた今、この方法がベストかもしれない。南北米大陸ならカナダを起点に。欧州アフリカ大陸なら東欧を起点にするとお得にバイクが買える。

短期間ならば現地のレンタルバイク屋を使うのも効率的だ。どの国でも大体1日1万円程度なので、飛行機や電車で移動しながら走りたいコースに一番近いレンタルバイク屋を選んでツーリングするのも合理的な方法だ。数十万円の高額なデボジットが必要になるのでカードは必須。万一事故、転倒した場合の保険等もメールで事前打ち合わせしておいたほうがいい。

すべての行程をバイクで行かずにバックパックと併用するのも現実的。入国が厳しいところ、治安が悪いところなどは信用できる所にバイクを預けて公共交通を使ったほうが安心安全な場合が多い。特に超有名観光地は治安が悪いので、柔軟に対応したほうがいい。

いずれにせよユーラシア大陸横断は男子の夢なので、ぜひ家族や彼女も応援してほしい。ロシアコースならば、アフリカや南米縦断よりは危険が少ないので体力の落ちたシニアや資金的に余裕がない学生にもオススメできる。